行政指導は行政主体が一定の <行政・政治・建築>

行政目的を達成するために、相手方の一定の行動を期待して、それ自体としては法的拘束力のない勧告、指導、要望などを行う行政の行為形式をいう。

学問上の用語で、法令上は指導、助言、勧告、勧奨、指示などといわれる。法令上の根拠規定がある場合も、ない場合もある。

行政行為と異なり、行政指導に従うかどうかは相手方の任意にゆだねられ、刑罰や行政強制の適用はないのが原則であるが、行政指導に従わないと、次には行政処分を受ける旨規定されている例もある。

また、行政指導自体は事実行為であり、法的効果を生じない。行政指導には助言的行政指導、相手方の権利や自由を規制する規制的行政指導、対立する当事者間の利害調整を目的とした調整的行政指導の3種がある。

行政指導は、1965年に通産省が住友金属工業に対してした粗鋼の減産指導以来、日本の行政の特色として諸外国にも広く知られるようになった。

欠陥医薬品排除、物価抑制、健全な街づくり、ゴルフ場規制、大規模小売店舗の出店抑制、過剰生産の抑制など、幅広い領域で用いられている。

行政指導が活用される理由としては、めんどうな手続を要せず、争われることも少ないから行政側に便宜であること、法律の不備に対して緊急に対応する必要があること、権力を嫌い、合意による解決を好み、また、行政の権威にとことん抵抗しない国民的体質があること、などが指摘される。

行政指導はたてまえ上は任意手段であるが、ある程度は合理的な内容をもつうえに、違反に対し公表、水道供給の保留、建築確認の保留、各種補助金・融資のストップなどの制裁手段を用意しているため、現実には実効性をもつ。

しかし、公表以外のこれらの制裁手段を用いることは、指導の限界を越え、一般に違法である。
update:2010年02月25日